心揺さぶられるワークショップに参加した。


AoH(Art of Hosting in Japan)が11/27(土)-28(日)に開催した「Warrior of the Heart」である。
http://artofhosting-japan.org/events/alw2-warrior-of-the-heart/


10/30(土)にワールドカフェで「Warrior of the Heart」というタイトルを聞いた瞬間に心が震えた。
カスタネダの本で読んだ「戦士」でありたいと思っていたところにこのタイトル。
1泊2日で¥60,000というのは、冬季賞与前の身には少々厳しいが、それでも行くしかないと思った。


メインファシリテータはデンマーク人のToke Paludan Moeller氏と、Bob Wing氏。
http://www.interchange.dk/profiles/tokepaludanmoeller/
http://www.interchange.dk/practices/warrioroftheheart/


合気道や武道をベースにしたボディワークと、Flowゲームというカードゲーム( http://www.flowspil.net/ )を使った対話によって構成されたワークショップだった。
約20名の参加者が2グループに別れて、Toke氏とBob氏のテーブルでFlowゲームを行った。
簡単に説明すると、各参加者は自分にとって大切な「問い」を決める。
その問いを抱きながら6色面ダイスを振って、出た色に応じたカードを引く。
カードにはまた問いが書かれているので、自分の問いとカードの問い2つで考えや気持ちを深めていく。
問いは他の参加者にも明らかにして、他の参加者との対話によっても深堀をしていく。
1人の問いについて、20〜30分ほどじっくりと時間をかけて大切に進めていく。
そんなゲーム。


問いカードは、ボード上の6箇所に置かれていて、それぞれ以下を意味している。
北:赤:鹿:リーダーシップや勇気
東:青:イーグル:ビジョン
南:黄色:ねずみ:コミュニティ
西:緑:熊:アクション
下:黒:母なる大地:繋がること
上:白:父なる大空:天からの視点


まぁ場に力がある時によくある事だが、ダイスの目が絶妙で(笑)。
例えば、各自のターンでは天のカードは一個も出なかったのに、最後に「これから目指す方向」として引いたら、2名が母なる大地、残り10名が父なる天のカードを引いて、1個も四方のカードが出なかった。
ゲームが終わって「すごい『天』が続いたよね」と言いながらダイスを振ると、もう天も大地も出ない…てな具合。


ゲームのhostをTokeがつとめてくれていたのだが、Tokeがまた微妙にシャーマンで(笑)。
凄い観念的というか、天からのお告げ的な発言をするのである。
あのホスト役あってのFlowゲームだったなぁ。
参加者も皆協力的だったので、テーブルの上から気が龍のように立ち昇っていくのが見えるような、そんな凄みのある場ぢからであった。


私の問いは最初「どうやったら『しない』でいられる?」「How Can I Slow Down?」または「How Can I Stay Not Doing?」であった。
これはカスタネダの本について先日書いた通り「すること」を止めて「しない」を学ぶ話。
11/22(月)にはプロセスファシリテーションの個人セッションを受けて、そこでも「立ち止まれない自分」という問題?課題?が浮かび上がってきたばかりであった。
私にとってはかなり切実でホットな問いだったのだが。


私の機が満ちなかったので、私の順番は最後から2番目。
それまで他の人たちの順番をゲームしていたのだが、多くの問いや、多くの思いが、まさしく私も抱えているものであり、まったく他人事ではなかった。
初めて会う人ばかりだったのだが、ぽつりぽつりと、他の人の言葉や思いに引きずられるように、色んな話が場に生まれてきて、実に深い示唆に富んだ時間であった。


そうするうちに、私の問いが深くなった。
私は別に「しない」が最終目的なのではない。「しない」を学ぶことで何かができるようになりたいのだ。
でも何を?
何ができるようになって、何を成し遂げたいの?


…もちろん、これはドンファンの教えとは違うかも知れない。
「しない」ことそれ自体が大きなことであり、「しない」ことである素晴らしい状態を導くことになるのではないかと思う。


が、それとは別に、私は自分の持っている力や、このエネルギーや心を、何に向けて生きていきたいのだろうか?


そこで自分の番が回ってきた時には問いを変えた。
「何が本当の望みか?」「何を本当にやりたいのか?」


ダイスの目は青=イーグル=ビジョン。
引いたカードの問いは
「How can you be more connected to the clarity of purpose at the center?」
=「どうやったらあなたはもっと中心での目的の明晰さと繋がっていられるか?」
であった。
だからそれが私の問いそのものなんだよ!という感じの、問いに同じ問いを更に畳みかけられたのであった。
私にとって今一番大切な問いだということだろう。


私は語った。
今まで本当によく恵まれてきていて、仕事も好きだし、毎日元気いっぱい。
この元気を少しでも周りにも配りたくて、日本をもっと元気にしたくて、ファシリテーションを学んでいる。
幸い会社でも思いが通じて少しずつ具体的な動きができているし、こうやって会社の中で、自分の居場所をどんどん変革していくことで日本を変えたい。
私の目標はそれで、今はそこにむかって一歩ずつ歩いている状態。とても正しいように感じている。
…だけど。
最近なんだか時々「これが本当にやりたいことなのか?」と思うことがある。こんなに正しいと思うのに。何故かわからないけれど。
という話を語った。カンボジア青年海外協力隊で赴任した話もした。


そしてTokeの御託宣(笑)。
「周囲を元気にする…それは良い活動だからそのまま続ければよい。
けれど、そんなのはあなたの左手だけで、十分できてしまうのではないか?
本当はもっと何かができるはずではないのか?」


ははぁぁ…優しい口調であったが、叱責に聞こえた。
確かに、私は今まで「勝てる勝負」しか、して来ていないんじゃないのか?
目の前にあるちょっと見栄えの良い問題を次々と片づけて、何かを成し遂げた気になっていただけじゃないのか?
本当に、自分の全身全霊をかけて実現したい課題に取り組んできたのだろうか?


最後に「今後の方向」として引いたのは白=父なる大空=天からのカードで
「What is the highest purpose…of your life?」
「何があなたの人生の最高(至高)の目的か?」
だった。(全角で書いちゃうぞ)
うお、傷口に塩塗るような。
またその問いを重ねるかって。(笑)
(言って置くが他の人の引いたカードは全然違うので、目的を問うカードばかりが入っているわけではない)


更にTokeからは全員にこの問いが贈られた。
「What breaks my heart?」「何が私の心に響くのか?」
「Who and What do I serve?」「私は誰または何に仕えたいのか?」


今、毎日自分に問いかけ続けている。
まだ答えは出ない。
いままでみたいに、そう安易に答えに辿り着いて納得した気になるつもりはない。
だが、考えすぎて一歩も足を出さないくらいなら、どっかで思い切って何かを始めてみるつもりだ。
世界の課題はそれほど待ってくれないだろうから。


Toke、Bobに、企画してくれたAoHの西村氏やスタッフの皆さんに、また同じテーブルの参加者全員に感謝。
そしてTokeの通訳をしてくださった千絵さんは、声の通りの良さといい、通訳の言葉の選び方といい、にこにこした表情といい、素晴らしい通訳。
スピリチュアルな話での通訳は難しかろうと思うけれど、実にわかりやすい良い訳。大感謝。