トルコ3日目は早朝出発でカッパドキアへ。


(写真はカッパドキア代表的風景、パシャバーの奇岩)


07:35 イスタンブール(アタチュルク空港)発TK460便
08:55 カイセリ空港着
カイセリ街
・サルハン
・デルヴァント
・ゼルヴェ渓谷
・アヴァノスで昼食
・アヴァノス陶器工場
・パシャバー
・ギョレメ野外博物館
・トゥラサンワインセラー
洞窟ホテル、ユナック・エヴェレリ
・ホテル近くのレストランdimrit




(写真はカイセリの街で見かけた涼しげな葡萄棚の下でチャイするおやじ群。チャイ専用のお盆もカワイイ。)
早朝出発は起きるのが大変だけど、まだ涼しいし、空港までの道も空いていて選択としては◎。
国内線で、一路中部アナトリアの街カイセリへ。
Hちゃんが手配しておいてくれた女性日本語ガイドさん(ウルギョップ在住のオヤさん)と、運転手のオスマンさんに迎えられて、観光に出発。
オヤさんは、ベテラン日本語ガイドという感じで、任せて安心。とても良かった。



(写真はカイセリ街のソーセージ屋)
カイセリ街


折角カイセリに到着したのだからと、一応カイセリ街も見物。
早くキノコ岩を見たくて仕方ない私は「カイセリ観光なんて〜」という気分だったのだが、カイセリ名物のソーセージを店で試食した途端に態度豹変。
「これは酒のつまみに最高!」ということで200gほど購入。
オヤさん曰く「このソーセージは独特の臭いがあるので、食べると汗までその臭いになるよ」とのこと。


(写真は隊商宿サルハンの門から中庭を覗く。サルハン内建物の柱の飾り)
◆サルハン


カイセリからアヴァノスに向かう途中にある古い隊商宿。
これまた全然興味がなかったのだが、途中だからとなだめられて連れて行かれる。
そして、これまたすっごく良かった。


昔のキャラバンが立ち寄るための宿で、キャラバンは無料または安価で休んだり泊まったりできる施設で、8km毎に作るようにスルタンが指示したそうだ。
通商振興政策いわゆる通商振興政策というわけか。
この地方で取れる黄色い意志積みで作られた四角い建物で、中庭には泉がわいている。
四方を石で囲まれているわりには風が通って涼しく、居心地の良い中庭。
ここは夜にはセマーの会場になるというのだが、会場の柱の飾りは日の光をあびるとセマーを踊っているかのような影ができていた。
偶然なのか、意図的なのか。



(写真はラクダ岩と、日除けのためすっかり怪しいファッションになっている私)
◆デルヴァント


ラクダ岩と呼ばれる奇岩が有名な、奇岩スポット。
自動車道のすぐ脇にあるので、時間が無くても立ち寄ることができる。
細く黒い玄武岩が残っているのを、聖母マリア像に見立てている。
デルヴァントというのは「想像」という意味らしい。
オヤさんが「岩の方まで歩いて行くことができますよ」と言ってくれたのを良いことに、我々は奇岩の森に分け入って冒険。
奇岩と同じ白い凝灰石でできた斜面は、壊れて砂になってる部分が滑って危ないが、そのつもりでしっかりした靴を履いていったので心おきなく歩き回る。
白っぽい岩と雲一つ無い青空がすごいコントラスト。


ここで、カッパドキアの日差しを考えて、わざわざもう一つ持ってきてたはずの黒サングラスがトルコへ来る途中のどこかでなくなってしまった事に気づく。
痛恨その1。カンボジアから帰国する途中のバンコクで購入したお気に入りサングラスだったのになぁ。
(今回の旅は痛恨がいくつもあり、これが最初の1つ)



(写真はゼルヴェ渓谷の岩が崩れて中の住居が見えている様子)
◆ゼルヴェ渓谷


洞窟に昔(といっても割と最近まで)人々が住んでいた村。
崩れてきてしまったので住めなくなって今は無人
観光コースも、以前行けた部分が崩れてしまって立ち入り禁止になっているそうだ。
カッパドキアの洞窟は、掘りやすい凝灰石部分があるからできあがっているのだが、掘りやすいということは崩れやすいということでもあり。

トルコの有名な観光スポットであるパムッカレは、以前入れた温泉棚に今は立ち入り禁止とのこと。
カッパドキアについても、もしかするとそのうち観光できる場所はもっと減ってしまうかもしれない。
世界遺産の保護という点では制限していくことには文句ないが、ま、どうせなら制限される前に行っておくか。
本来、そこの住民だけが出入りしていた場所に、世界中から人が押し寄せれば破壊が進んでいくのは自明の理だ。
が、カッパドキアについては「雨の後は崩れるんです。最近雨が多くて。異常気象なんです」という話。地球規模の環境破壊の影響だろうな。

ここで、我々(特に私)はアドベンチャー魂をくすぐられ、あっちの岩山に上り、こっちの洞窟を覗き。
オヤさんはつきあいきれない感じを醸しつつ、まだ最初なのでよくつきあってくれた。
ここにあったトンネルは短いけれど真っ暗で細かった(急な階段もあった)のでなかなかのスリル。
明るめの懐中電灯が人数分必要である。
…なんて話はガイドブックにも書いてないんだよな。




(写真はレストランの外観、中の様子)
◆アヴァノスのHanedan Kervansarayで昼食
http://www.kapadokyahanedanrestaurant.com/

隊商宿ちっくに作られた高級レストランで昼食。
昼食つきのコースなので料金に含まれているものの、こんなオシャレな場所で食べる気ではなかったので車が横付けされたときはビックリ!


時間が早くて(といっても13:00くらい)他に客が居なかったので、静かで、我々専用という感じで素敵だった。
最後の方で、ドイツ人観光客16人くらいが入ってきて大騒ぎ。
トルコではどこでも、もの凄い数の観光客が居て、人口の1割くらいは観光客なんじゃないかと思うほど一大観光国であることを感じさせるが、不思議なほど日本人は少ない。




(写真はパンとスープ)
トルコのレストランではパンが食べ放題。しかも色んな種類があるし、美味しいのだ。
また、ここで出てきたスープは名前を忘れてしまったけれど、この地方の名前がついている素朴な味で、野菜がたっぷり。
かなり気に入った。


◆アヴァノス陶器工場
http://www.chezgalip.com/

カッパドキアは、実は陶器、絨毯などの手工芸品の産地。
HちゃんはカンボジアJOCV時代に、JICA専門家がやってる陶芸教室に通って作品を作ったりしていたので、陶器工場に立ち寄りたいとのこと。
私自身は興味はなかったが見てみることに。




(写真は陶器工場CHEZ GALIPの実演の様子と陶器工場で絵付けをしている様子。細かくて美しい絵柄を筆で丁寧に描いている)
工場では涼しい部屋に座らされて、飲み物サービス(早速、地元産の赤ワインを所望)をうけながら、実演見物ができる。
座席の広さからすると団体客が来るときもあるのだろうけれど、今回は私たちのためだけに実演してくれた。
ちゃんと工場の人が上手な日本語で説明してくれる。
工場曰く有名な陶芸家(髪型がアインシュタインそっくりな大先生)も登場して実演してくれた。
この大先生のアトリエは、ヨーロッパでは有名だそうで、多くのお弟子さんが学んでいるとのこと。



(写真は併設ショップの様子)
誰かやってみたいかと問われて、Hちゃんが体験。足でろくろを回しながらツボをつくってみた。
残念ながら作ったツボを貰ったりは出来ない(たぶんまた粘土に戻されて再利用)。


(写真は購入した皿。どちらも本当に美しい)


次は併設するショップに案内された。ショップは洞窟の中にあり、エアコンも無いのに20℃くらい。長時間居ると寒くなってくる。
まったくまったく陶器なんて買うつもりはなかったのだが、あまりに素敵だったので、母と友人の誕生日プレゼントとして皿を2枚購入。
450YTLもする買い物をしてしまった。
ちなみに450YTLというのは、この2泊3日のカッパドキア旅行と同額である。




(写真は有名なキノコ岩と付近を散策する友人達)
◆パシャバー


カッパドキアで一番来たかった場所。
WINGSで連載してる漫画、なるしまゆりの「少年魔法師」では、魔法研究集団グィノー家の描写のところで、カッパドキアの風景を使っている。
その何とも不思議な光景と設定が似合っていて、ファンタジーorSFチックな光景に萌える。
カッパドキア地方は、その昔(ギリシャ正教の)宗教学校が3つ程あり、修道士達が隠れ住んで修行に励んでいたそうだ。
パシャバーもそういった住処の一つ。シチュエーション萌え〜である。


オヤさんは、少し離れた高台で車を降りて、歩いてパシャバーに近づくコースを選んでくれた。
小憎い演出である。
ここでもあっちに上ったり、こっちを覗いたり、終いにはその辺で座ってだらだらする。
デジカメのメモリカード(512MBしか刺していない)が、ここでいっぱいになってしまったので、駐車場脇で飲み物を飲んで一息つきながら、持ってきたPCに吸い上げ。
これは痛恨ではないけれど、失敗失敗。
次回の海外旅行までには2GB程度のメモリカードを買おう。



(写真はギョレメ野外博物館の中の奇岩=かつての修道院の一つ)
◆ギョレメ野外博物館


カッパドキア一番の観光ポイント。かつての宗教学校跡。
もう夕方なので団体客も少なく、のんびり観光できた。
一つ一つの洞窟協会の中に壁画があって、大抵キリストの一生が壁にぐるりと描かれている。
同じくギリシャ正教であるロシアでも有名な、聖ニコライと、聖ジョージのドラゴン退治がここでも人気のモチーフ。聖母マリア信仰も強い。
偶像崇拝禁止時期に描かれた、三角やブドウなどのモチーフがデザイン的にキレイ。
洞窟教会ではフラッシュ禁止なので、フラッシュ無しで撮影可能なカメラが必須。
(写真は洞窟教会内の壁画。迫害時の破壊行為で顔が削られてしまっているものが多い)


修復された暗闇教会は、別料金8YTL。入ってみても、他の洞窟教会と大差ないけれど、一応入るでしょう。
博物館を出てすぐ近くの教会トカル・キリセも見学。こちらも天井などのフレスコ画が残っている。


博物館出口脇の土産物屋で何枚かの絵はがきと、私にとっては大切な地図を購入。この地図はなかなか出来が良くてお気に入り。
しかし、なんと我々3人とも財布を持って居なかった。
私は小銭だけポケットに入れていたのだが、暗闇教会の入場料や3人分の絵はがきを購入したら無くなってしまったのである。
そこでガイドのオヤさんに4TLほど借りて、なんとか地図を購入できたのであった。恥ずかしい客である。



(写真はトゥラサンの試飲カウンター)
◆トゥラサンワインセラー
http://www.turasan.com.tr/


カッパドキアはワインの産地としても有名。
実際ブドウ畑がたくさんあり、民家の軒先にも必ずブドウの木が藤棚のようにして涼しげな木陰を作っている。
是非土産にワインを買って帰りたいと伝えてあったので、宿の近くのワインセラーに立ち寄って貰った。
時刻はすでに19:00くらい。まだまだ明るいが、店じまい時刻なのを開けて待っていてくれた様子。
あれこれ試飲して、宿で飲むための15YTL白ワインと、持って帰るための50YTL赤ワインを購入。



(写真は友人の撮影した夕暮れ時の洞窟ホテル)
◆ユナク・エヴェレリ(宿)、Dimrit(レストラン)
http://www.yunak.jp/


宿はユルギョップにある洞窟ホテルの「ユナク・エヴェレリ」へ。
お値段の割に、必ずお客様に満足頂いてる洞窟ホテルとの旅行会社の勧めに違わず素敵なホテル。
ツインの部屋にエキストラベッドを入れて貰って3人で宿泊。
順番にシャワー浴びてる間、テラスに椅子を出して、早速買ってきたワインで夕日見物。
東の空には満月も浮かんできて、いい夜全開。


全員人心地ついたところで、宿から歩いていけるレストランDimritへ。
テラス席でカッパドキア名物のテスティ・ケバブ(素焼きのツボに入れて煮込んだケバブ)などを食べる。
食べ終わる頃(22:00くらい?)には風が出てきて肌寒くなったが、お店がささっと肩掛けを出してきてくれて、サービスもばっちり。


今日も良い長い一日であった。

朝飯:/昼飯:Hanedan Kervansarayでコース/夕飯:Dimritで色々