雪→曇|寒|世界地図

「日本の生活にはもう慣れましたか?」
先日こんな在日外国人みたいな質問を受けてしまったが、私も素直に「はい。もうすっかり慣れました」と答えてしまった。その時点でまだドコからの留学生だよ?って感じだが、実質もう違和感は全然無い。


職場復帰のおかげだろう。
職場というコミュニティの中に自分の居場所と役割が出来るにつれて、私の流浪異邦人気分は薄れてきた。
いずれは閉鎖的で均一的な日本抑圧に耐えられない流浪異邦人気分が盛り上がってきてしまい、半年か1年に一度は海外脱出しないとヤッテラレナイって言い出すのだが、2年間の海外生活で根本からリフレッシュされた状態が続いているので、まだ暫くは新鮮な気分で日本で頑張れそうだと思う。


そう思っていたらば、今度の五月のGWは、勤務先が内装工事で閉鎖されるために、10連休になることがわかってしまった。
こんな機会を見逃すわけにはいかない。やっぱりどこか遠くに脱出せねばなるまい。


どこへ行こう迷っている。アジアが長かったので別の地方へ行くつもりだ。
協力隊の強力なネットワークは活用すると便利だが、行き先が途上国に限られてしまう。
もちろん、それでも行ったことのない国ばかりだから良いんだけど、格別行きたい国もないので迷う。


最近、ちょっと行ってみたいと思ったのはイタリアのコモ湖
映画STARWARSのエピソード2でナタリー・ポートマンが美しいドレス姿で休暇を楽しんでいたヴィラがたっているのがコモ湖だ。
先日、ジェラール・フィリップ主演の古い仏映画「パルムの僧院」(1947)を観ていたら、同じテラスとおぼしきものが、やはり逃亡先の優雅な隠匿生活の舞台として登場していたので、ちょっとぶっ飛んだ。
どうやら、コモ湖というのは「お金持ちや貴族が、優雅に怠惰に休暇を過ごす場所」という共通認識が60年前からあるようだ。
私はお金持ちでも貴族でもないが、怠惰な逃亡者としてコモ湖にはちょっと心惹かれる。


同じイタリアの北部を巡る旅や、エジプトや中南米も魅力的だ。フランスのモン・サン・ミッシェルも、いつか行きたい場所。
5月という季節に似合った行き先を探さねば。


と、手元にある世界地図を広げてみる。
「あなたの家に世界地図はありますか?」


先日、ウチに泊まりに来ていた誰かが「そうやって、すぐに世界地図が出てくるところが凄いね。普通、あんまり持ってないんじゃない?」と言った。
どうなんだろう?ウチにあるのも980円で買える国際地学協会のペラペラの奴なんだけど。
ただし続けて「とは言うものの、何故か私の友人たちの家には必ずあるんだけど」とも。
じゃぁ、いったい何が普通なんだかわからない発言だ。


学生時代の欧州40日間旅行を一緒に行った友人が先日遊びに来たときも、当時の旅行ルートについてお互いのうろ覚え記憶を確認するためにこの地図を開いた。
そして、ついそのまま見入ってしまう。


まだ行ったことのない街が、国が、どれほどあることか。
そこにはどんな人たちが住んでいて、どんな匂いの風が吹いているのだろうか。


当分、海外はいいや…とか思っていたけれど、地図を広げていると尻がむずむずしてくる。
やはり旅立たねばなるまい。どこへ行こうか…


今日の日経新聞の経済教室は「ODA理念の差別化を」という法政大学教授の記事で、日本だからこそ援助のススメなどが載っていた。
日本だからこその援助というのは本当に有るし、現地で高く評価されているので、この記事には頷く点が多かった。


テレビ東京系列で毎週金曜日の21:54から放映されている「仲村トオルの地球サポーター」にて、今週から5回にわたりカンボジア編を放映するのだそうだ。
4回目のアンコール幼稚園の回では、そこで働いている協力隊員も登場する。
カンボジアの抱える深い傷跡、日本との密接な関わり合いなどが紹介される内容らしい。


今日はもう間に合わないけれど、来週以降、ちょっと見て欲しい。
カンボジアから見れば最大援助国であり、押し寄せる観光客の多くを占めている日本。
日本にもっとカンボジアを知って欲しいし、こんな日本に誇りを持って欲しいから。


2月25日 カンボジア国概要 日本橋復旧計画
3月 4日 カンボジアの医療事情 医療従事者育成プロジェクト
3月11日 農業事業と村の生活 バッタンバン農業生産性強化計画
3月18日 幼児教育の改善のために アンコール幼稚園
3月25日 クメール文化の継承 アンコール遺跡修復事業


朝飯:サンドイッチ/昼飯:鶏味噌煮込みうどん/夕飯:ヴィダーinゼリー


2005/02/25(Fri) 20:58:42