晴|寒|調律
GouldのBachを聴くと、元気になる。
身体と心が調律されて、ピシッと背筋が伸びるような気がするのだ。
Bachの音階はきれいに展開して、気持ちを落ち着ける作用があるけれど、Glenn Gouldの演奏は、それを単なる癒しで終らせない緊張感をもたらしてくれる。
独特の調律が施されたピアノの音は、チェンバロ風にするためというよりは、Gouldの心の振幅と共振するためにあるようだ。
ふいに思いがけない音が強く響いてきたり、くっきりとある美しいメロディが浮かび上がってきたりする意外性が心地よい。
もちろん、この緊張感はピアノの調律法よりも、Gouldの一つの音にも妥協していない姿勢がそのまま1つ1つの音から伝わってくることに由来しているんだろう。
それでいて聴く者に疲労は与えない。
程良い高揚感は臨戦態勢の時の精神状態と似ている。
先週から少し忙しくて疲れているのだけれど、会社に着く30分前からGouldのBachを聴くことで、毎朝元気に仕事を始めることができている。
朝飯:手巻き寿司、ヨーグルト/昼飯:日替わり弁当/夕飯:ヴィダーinゼリー
2005/03/02(Wed) 23:32:26