モスクワ5日目、水曜日。〜ヴェルニサージュ・クレムリン〜

(写真はクレムリン内部のイワン大帝の鐘楼とアルハンゲリスキー大聖堂)

06:00起床。08:00には支度して出発。
今日は工芸品市場「ヴェルニサージュ」へ行くからだ。工芸品市場といっても、お土産探しに最高という露店市場である。地下鉄3号線を東に行ってパルチザンスカヤから徒歩5分くらい。特に案内は無いのでM子の後ろに付いていかないとわからなかったかも。
水曜日は業者が買い付けに来る日なので、朝早くから昼ぐらいまでの開催で、値段も土日より良心的という曜日なのだそうだ。(市内の店舗や土産物屋で買える品は高級品でなければ全てこの市場にもある)
ただし週末より開いている店は少し少ないようだ。


(写真は市場の中の毛皮帽子売り場と、リネン売り場)
特に欲しいもののイメージは固まっていなかったが、適当にお土産用に鍋つかみとか、白樺で作った風景絵とか、グジェリ(陶器)のマグカップとか、バラライカ型のマグネットなどを買う。
自分用土産は酒と決めている(笑)のでここでは買わない。


(写真はシシャリクを焼いているスタンドの様子。見るからに旨そう)
市場の中でシャシリク(肉の串焼き)を炭焼きで売っているスタンドがあって、それがものすごく美味しそうだったので10:00過ぎだったが早めのお昼にする。
地元の人も並んでいるので、きっと人気のお店なのだろう。

おばさんがプラスチックの皿にタマネギスライス、トマト、キュウリを入れて、その上におじさんが串から外した肉を盛ってくれる。
分厚い豚肉が肉汁たっぷりに焼き上がっていて、激烈旨かった。
豚肉以外にも羊だとか、サーモンなども焼いていて、M子はサーモンをチョイス。そちらも激烈旨かったららしい。そっちも食いたかったなぁ…
私的には今回の旅行の中でカフェ・マルガリータのペルメニに次ぐ大ヒットである。


そして地下鉄でM子と分かれて、モスクワ観光のメッカであるクレムリンへ。12:00着。
入場料が、教会見るのに300、そのオーディオガイダンスが200、武器庫という名の博物館見るのに350、そのガイダンスが200、武器庫の中のダイヤモンド庫を見るのに500と、合計で1550ルーブルも奪っていく観光地である。(1ルーブル=4.4円)
が、もちろん折角なのでフルコース楽しむことにする。
ちなみに、フルコースの料金は日本円にすると6,500円で、1箇所の観光地費用としてはかなり高いと言える。


だがモスクワで価格が高いのはこれだけではない。
レストランで1食は200〜1000P(850〜4400円)。
茶店で飲むカプチーノは130〜170P(530〜750円)。
市場で買った小さな土産のマグネットなどはだいたい100〜150P(440〜660円)。
お土産のチョコ10個入りが141.5P(600円)。
ウォッカが346.9P(1500円)。
コニャックが888.78P(3900円)。
※Pというのは英語でいうRで、ルーブルの意味。


(写真はアルハンゲリスキー大聖堂の入り口部分のレリーフ)
モスクワというかロシアは日本よりずっと物価の高い国なのである。
日本も世界水準で見ると物価の高い国だが、それに見合った給料が出る。ロシアは物価よりずっと給料が安いのだそうだから、いったいどうやって皆生活しているのだろうか。
生鮮食品は上記のものよりは大分安いのかも知れない。


クレムリン全体の入場人数制限、武器庫の入場制限時間、ダイヤモンド庫のランチタイム閉館などを乗り越えつつ、割と効率的に全部見て回って16:30。
教会の方のガイダンスは、教会用語が多すぎてイマイチ意味がわからなかったのが残念だが、全体的に満喫・満足。


武器庫といいつつ、実際はロシア王室が持っていた数々の豪華絢爛お宝展示の博物館である。
部屋数はそれほど多くないのだが、全ての展示ケースが凄いお宝だらけなので、初っぱなから目がチカチカする気分。
ダイヤモンド庫の世界一大きな189.62カラットのダイヤモンド”オルロフ”も凄いが、それ以外の展示物も本当に豪華。
ロシア皇室ってのはもの凄かったんだねぇというのがよくわかる。
広大な大地からあがってくる利益をたった1つの皇室が消費していたんだもんね。


(写真はウスペンスキー大聖堂)
全体的にロシアの誇りみたいなものがビシビシと伝わってくる。
博物館に収められている物はどれも一番上層の豪華なものだけなのだけれど、それにしたって力の誇示加減が、皇室だろうと、共産党だろうと、美術品だろうと、皆そこはかとなく似ている大ロシア帝国臭とでも言ったら良いようなものがプンプンと匂ってくるのだ。
そうしてみると、共産主義崩壊後の経済が低迷していた時代というのは、さぞかしロシアにとっては屈辱的な暗黒時代であって、今、漸く経済が復興してきたところで、経済的にも軍事的にも主導権を握る強気な立場に出てくるのは当然なのではないかと感じた。


その辺、日本で見る文化的な品物達ってのは、やはり突出した派手さや力の誇示よりも、全体的な調和に美しさを見いだすところがあって、民族的に強気に出ていくのは苦手なのだろうなぁと思ってしまうのであった。


馬車の展示部屋が個人的に一番好き。
観光地などで見る馬車と違って、大型のバンぐらいの座席部分に、人の身長より大きいような車輪。
映画などで見る馬車の本物を間近に見ることができて、本当にこんなものが世の中を走っていたのかと驚きである。


クレムリンの中では結構日本語ガイドさん付きで回っている個人客が多かった。
さりげなく自分のオーディオガイダンスをオフにして近くに立って聞いてみたりして…オーディオガイダンスとはやはりひと味違うガイドをしているのがわかって、ちょっと羨ましい。


地下鉄で帰宅。途中カフェでコーヒーを買って帰る。
今日はこれが初コーヒー。


夜は旦那Dのお勧めでロシアの西部劇(!?)「Beloe solntse pustini」を見た。(日本語字幕が付いていてた!)
メディチックなんだけど、悲哀もあり、楽天的な主人公とシニカルな脇役で、アクションもあるエンターテイメントしている1969年の作品。面白かった。
ロシアでは知らない人が居ない有名作品だそうだ。

朝食:パン、ハム、チーズ/昼食:豚肉串焼き/夕食:シチューとパスタ、ナスとキノコのサラダ